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業務委託契約Business consignment contract


業務委託契約

 概要

従業員と業務委託契約を結ぶ場合について、どの様に考えるべきかを労務管理面から簡単に解説します。


業務委託契約とは、社外に業務を委託する契約のことです。
すなわち、従業員と業務委託契約を締結する、ということは、会社を退職してもらうことになります。

当然、従業員と十分に話し合った上で、従業員の自由意思で、会社を退職することになります。
その後、会社と業務委託契約を締結することになります。

この為、従業員ではなくなり、個人事業主、いわゆるフリーランスになります。
このメリット/デメリットを十分に理解しておく必要があります。


 メリット

個人事業主になりますので、元いた会社以外からも仕事を受ける事ができ、本人の努力・才能次第でサラリーマン時代に比べ大きく収入を増やすことができます。

また、自分の都合で仕事を取捨選択できますし、時間の融通もききます。
確定申告が必要ですが、税制面での優遇を受けられる事も多いです。


 デメリット

業務委託契約を結び、個人事業主になりますと、労働保険(雇用保険と労災保険)には加入できません。

また、社会保険は、国民健康保険と国民年金に変更になります。

まず、業務上のケガであっても労災が支給されないですし、私傷病であったとしても傷病手当金は支給されません。
怪我や病気に対する所得保障がありませんので、ご自身で保険に加入して頂くのが良いですね。

加えて、国民健康保険には、出産手当金がありませんので、産前産後休業中の所得保障はありません。
また、雇用保険に加入することができませんので、育児休業中の育児休業給付金はありません。
(個人事業主には、そもそも育児休業と言う概念がないのです)

もし、対象となる従業員さんが、出産を考えておられるのであれば、この点も十分にご理解し納得して頂く必要があります

もちろん、賞与もありません。サラリーマンであれば、ある程度、賞与を見込んだ生活設計をしていると思いますが、この点注意が必要です。

また、退職金もありません。退職金は中小企業事業主向けの共済がありますので、そちらに加入するのも良いです。


 まとめ

個人事業主は、自分の頑張り次第でいくらでも収入を増やすことができますが、社会保険や労働保険によって守られません。

また、あくまで会社と個人業主との間の業務委託契約ですから、会社から直接指揮命令をするような事はできません。偽装請負にならないように注意する必要があります。

業務委託契約でよくあるのは、建設業における1人親方や、運転手、デザイナーなど専門性のある職種です。


 進め方 

法律上の問題に加えて、従業員さんが十分に納得した上で、自らの意思で業務委託契約を選択することが重要となります。いずれにしても、従業員と業務委託契約を結ぶのは、会社にとっても様々点を十分に検討する必要があります。
加えて、対象となる従業員さんと充分な時間をかけて話をすることも重要です。



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