正社員とフリーターfull-time employee and part-time worker
概要 〜差が開く前に〜
この記事は、20代前半の学生さん、フリーターの方に特に読んで頂ければと思います。
20代の内はフリーターやニートと正社員の給料の差はあまりありません。
単身ですし、親元で一緒に生活している場合は月に10万程度入れば十分に感じると思います。
正社員の場合、健康保険・厚生年金、雇用保険、税金等を天引きされて振込額が15万程度だとすると、大卒正社員と高卒フリーターの差はほとんどありません。
こうなると、「フリーターでも十分生きていける」と感じてしまいます。実は、この感覚が大きな落とし穴になります。
時給で考える
大卒正社員の20代もフリーターも、時給で見ると大きな差はありません。これは、正社員の場合、多くの企業が年功的な賃金体系になっており、20代の給与をかなり低く抑えているからです。
時給換算で正社員でも1,000円台の事も多いと思います。
ただし、20年後には、この時給を5,000円程度までもっていく必要があります。今のバイト先でフリーターを20年続けて時給が5,000円まで上がるでしょうか?その点をきちんと考える必要があります。
50代で高額の年収が必須
最もお金が必要な50代になると、年間で1,000万程度あっても決して余裕はありません。年収1,000円といっても、そこから社会保険や税金を天引きされますので、手元に振り込まれる額は700万強です。月割りすると60万程度になります。
実際には賞与が含まれますから、賞与が年間200万だとすると給与は500万程度になり、月に42万円程度です。
月に42万円ももらえるなら凄いじゃないか!と思われるかも知れませんが、50代だと家のローン、子供の学費が最大限になる時期です。
例えば、子供2人が私立大学に通う、または国公立でも一人暮らしをすると、その費用だけで月15万円以上します。これに家のローンが15万円/月とすると約30万円が毎月の出費になります。
振込額が42万円なら残りは12万円となり、確実に赤字になります。賞与を家計の足しにしてようやく生活できるレベルです。
要するに20代独身で1,000万円と50代で2人の子持ちでの年収1,000円では、生活の余裕が全く異なる、ということです。
40代、50代で2倍の差がつく
では、次に50代でフリーターが年収1,000万円稼げるのか、を見ていきます。下図のグラフをみて下さい。
このグラフは、正社員とフリーターの収入の差を表しています。20歳~24歳までは正社員100に対してフリーターが88、これはフリーターでも正社員の88%の給料がもらえるということです。月収20万円の正社員に対して18万円程度もらえるので、実質的には正社員とフリーターの差はないと言えます。
20歳~24歳までは独身の事も多いですから、正社員の良さは実感できないと思います。
しかし、年齢が50歳~54歳になると、フリーターは正社員の52%しか給料がもらえません。
50代前半の正社員の年収が800万円だとすると、フリーターは416万円しかないことになります。年収416万円だと、子供を育ていくのが厳しい額です。
正社員を目指す
20代の方には、まず何をおいても正社員を目指して欲しいと思います。正社員から派遣社員やフリーターになることは出来ますが、派遣社員やフリーターから正社員になるのは難しいのです。
毎日8時間も仕事をするのはしんどい、好きなことが見つからない、などの理由で非正規雇用である派遣社員やフリーターになるのは避けて欲しいと思います。
まとめ
小中学校時代から自分を律して遊びたい気持ちと葛藤しながら必死に勉強して一流大学に入学した者と、高校卒業まで勉強を疎かにして友達と遊ぶお金欲しさにアルバイトを繰り返すだけの者が40代になって同じ給料が欲しい、というのは無理があるのかも知れません。
しかし、フリーターという生き方は、結婚や子育てという次世代の育成に大きな支障があるのも事実です。
手に職を付けるなど、何らかの形で正社員として働くことが、比較的安定した人生を歩めることも、また事実だと思います。
日本経済がどうなるかは、いつの時代も分かりませんが、一人ひとりが仕事に真摯に取り組む事が重要だと思います。
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