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休憩の一斉付与break at the same time

概要

あまり知られていませんが、休憩は原則として全従業員に対して一斉に付与する必要があります。

休憩と言えば、お昼休みですね。それ以外では午後から15分程度の小休憩がある会社もあります。

この休憩は全員が一斉に(同じ時間に)取る必要があります。この為、
「適当に1時間程度お昼休みをとってね」、というのは「労働基準法違反」ということになります。

この法令をご存じない事業主さんも多いと思います。もちろん例外もありますので、次節から詳しく解説します。


例外

一斉付与ができない事業所は、例外的に個別に休憩を取ることができます。

この例外には下記2種類があります。
@業種による例外
これは、そもそも全従業員が一斉に休暇を取得すると業務に支障が出る様な業種の場合、法律で一斉付与をしなくてもよい、と認められています。

A労使協定締結による例外
こちらは上記@の業種に該当しない場合でも労使協定を締結することで一斉付与をしなくても良くなります。全ての業種に対して有効な方法です。


業種による例外

その業種は下記となります。自社が下記に該当する場合は、休憩を一斉に付与する必要はありません。

一斉付与の対象外となる業種一覧

○運送(旅客または貨物)
○販売
◯理容
○金融・保険・広告
○映画・演劇
○郵便、信書便、電気通信
○病院・診療所
○保育所
◯旅館・料理・飲食・娯楽場
○官公署
など




労使協定による例外

業種で一斉不要の対象外になっていない場合は、労使協定を締結する必要があります。
この労使協定は、過半数労組または労働者の過半数代表と締結することで有効となります。また、
労使協定の所轄労働基準監督への届出は不要です。

昔は所轄労働基準監督署に許可を取る必要がありましたが、平成11年(1999年)にこの許可制度は廃止されました。現在は労使協定の締結のみで一斉付与の対象外とすることができます。
年配の方は、労基署へ許可の申請をされた経験をお持ちだと思いますが、現在は「許可制」は廃止されております。


45分の昼休みはキワドイ...

昼休みの長さは、多くの企業が45分か1時間を設定されていると思います。法律上は8時間を超えて仕事をする場合は、1時間以上の休憩が必要になります。

この為、昼休みを45分としている会社の場合、仕事時間が8時間を超えることがあれば途中に15分間の休憩を入れる必要があります。

この休憩も一斉付与の対象になりますから、全従業員に対して同じ時間に15分間の休憩を与える必要があります。この夕方の15分の休憩は昼食と違い、一斉付与が難しいのではないかと思います。この場合は、労使協定で一斉付与をしなくても良いようにしておく必要があります。
労使協定の締結なしに、「各自自由に休憩を取って下さい」ということは出来ませんので注意して下さい。

休憩は仕事の途中に!

休憩は仕事の途中に付与する必要があります。この為、17:45に退社して15分の休憩を取った事にして18:00まで仕事をしていたことにはできません。
仕事の途中に休憩を取らないといけない、というのも法律で決められています。


(詳しくはこちらの記事を参照>>)

こう考えると、お昼休みを1時間とって置く方が無難かも知れません。


まとめ

何気なく取得していた昼休みですが、ここにも労働基準法の厳しい制限があります。[
「かたが休憩、されど休憩」です。

法律に詳しくない人事コンサルタント系の方で色々な働き方をご提案されている事がありますが、きちんと法を遵守し、自社に最適な働き方を実現していく必要があります。

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