メンタル不調者の休職から復職への流れfrom leave to reinstatement
概要
メンタル不調者が出て休職になった場合、どの様に過ごして復職まで辿り着くのかをドキュメンタリー的に(時系列で)書いています。
現在メンタル不調で悩まれている方、管理職、人事部の方にお読み頂きたい記事です。
休職直前
メンタル不調者の場合、いきなり休職になることが多いです。前日まで普通に出勤して勤務していたのに、翌日からいきなり出社できなくなるパターンです。
本人は、何ヶ月にも渡って相当つらく苦しい日々を過ごしているのですが、周りからは、そこまで深刻な状態だとは分からないのです。「辛そうだな」程度ですが、そう感じたら、相当深刻な状態である可能性があります。
特に、1〜2日ではなく、1ヶ月以上にわたって「辛そうな状態」が続いていると感じたら要注意です。
話かけると元気に答えが返ってくることも多い為、分かりにくいのですが人間関係が絡んでいると相当深刻だと考えるべきでしょう。
この様な状態から、突然、体調不良で数日休暇が続いた後、休職に入るパターンが多くあります。
人間は、長期間ストレスにさらされると変調をきたす動物です。瞬間的に強いストレスであれば耐えることができますが、長期間に渡りジワジワとストレスを感じると倒れてしまいます。
1日8時間月曜から金曜までストレスを感じながら1ヶ月も生活すれば、相当のダメージが心に貯まります。まして半年から1年以上もストレス状態が続くといつかは必ず休職に入ると考えて良いでしょう。
休職直後
休職直後は、心療内科に通院して薬を処方してもらいます。同時に診断書を書いてもらい会社に提出します。多くの会社が治療の為の休職制度を設けていると思いますので、そのまま休職となります。
診療内科で処方してもらった薬を飲みながらゆっくり休みます。この時期は、メンタル不調のピークですから、そもそも「しんどい」状態が続きます。それこそ、不眠だったり、明け方にしんどくて目覚めたり、起きた瞬間から常にしんどい状態が続いたりします。
また、心療内科の薬が体に馴染んでいないので、倦怠感や眠気、しんどさなどが継続しており、何もできない状態が続きます。
この時期は、家で休むしかないと思います。2日ほど出歩くと翌日は1日倒れた様に寝込んでしまう状態です。無理をせずに回復することを信じてゆっくり休むことが重要な時期です。
この時期は仕事で辛かった精神状態を、まだ維持している時です。出社していた時と本人は何も変わっていない様に感じると思います。ただ、出社しなくても良いので、その分、気持ちが楽になっている状態です。
家族の理解
この時期に重要な事の一つに家族の理解があります。両親や配偶者などから「さぼっている」と思われているのではないか、と罪悪感にさいなまれるのが一般的です。
メンタル不調で休職する場合は、数ヶ月前から不調が続いていたはずなので、家族なら異変を察知できているはずです。
この為、自分のおかれている状況を、きちんと話をして理解を得ることが重要です。不調になり始めの頃から順を追ってきちんと説明して理解をしてもらいましょう。
一緒に住んでいる家族なら分かってくれるはずです。
回復期
薬が体に馴染んで効果が出てくると、朝起きてから夜の就寝時間になるまで、比較的普通に過ごせるようになります。
もちろん、具合の悪い時もありますので、頓服を飲んでしのぐ事も必要ですが、段々と調子が上向いてくる時期です。徐々に頓服の量も減っていきます。
復職に向けて
復職に向けた準備期間です。1ヶ月程度は必要でしょう。この時期が一番安定しており、会社で辛かった当時の面影もなく、さっぱりした気持ちと雰囲気になります。
会社の産業医や人事担当者と復職の面談をするのも、この時期になるので、会社関係者からすると、「凄く元気になっている。もう普通どおり」と感じられると思います。
本人にとったら、この時期は、何かを始めるのが良いと思います。基本的にストレスフリーで過ごせていますし心身ともに健康で、気持ちも前向きになっています。
復職を考えるだけではなく、良い機会だと思い生涯を支えることのできる「何か」を始めることを考えて下さい。
復職タイミング
休職してから3ヶ月以内は「復職のゴールデンタイム」と呼ばれ復職に最も適しています。3ヶ月以内の復職であれば生活リズムの崩れもなく比較的スムーズに職場復帰できます。
また、うつ症状が出て休職になった場合でも3ヶ月程度で復職できる場合は、軽度の場合ですから、きちんと復職できれば、その後定着できる率が非常に高くなります。
リワークプログラムが必要になるのは半年以上休職して生活リズムが崩れている場合です。
休職後の事を考える
復職期間中に心身ともに安定してきたら、復職後の事を考え始める必要があります。復職しても同じ職場、同じ仕事、同じ人間関係なら、結局また休職になる可能性が大変高くなります。
人事異動等ができる会社であれば良いのですが、なかなか休職したからといって異動できる訳ではありません。
この為、今後どの様にして仕事に取り組んでいくのかをしっかり考えておく必要があります。
まとめ
休職してから復職するまでを概観してきました。なかなか見えないメンタル不調者の状況がおわかり頂けたと思います。
人事担当者におかれましては、メンタル対策の一環としてお役立て下さい。
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