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社会保険料の全額会社負担company burden of social insurance


社会保険料の全額会社負担

健康保険・厚生年金の保険料は、従業員と会社が折半します。しかし会社が全額負担しても問題ありません。

毎月の保険料を全て会社が負担している会社は、ほぼないと思います。ただ、良く問題になるのが
退職月の保険料の控除です。

社会保険料の半分は従業員が負担します。この保険料は給料から控除(天引き)します。
この控除の方法として、当月控除と翌月控除があります。
@当月控除:当月の保険料を当月の給料から控除する方式。
A翌月控除:当月の保険料を翌月の給料から控除する方式。


次に保険料を納める期間ですが、
社会保険は、退職した日の翌日に被保険者資格を喪失します。保険料は、資格喪失日が属する月の前月分まで納めることになります。

この為、
  • 7/15退職→7/16喪失→6月分の保険料まで納付
  • 7/31退職→8/1喪失→7月分の保険料まで納付
となります。

ここでは、月末(末日)退職の例を考えてみます。末日退職なので、資格喪失は翌月の1日になりますので、その前月すなわち退職した月までの保険料が必要になります。

当月控除の会社では退職月の給料から保険料が控除できるので問題ありませんが、
翌月控除の場合、翌月は給料を支払いませんので、社会保険料を控除できません
。この為、退職した従業員さんに社会保険料を入金してもらう必要があります。


しかし、退職して給料を払わない元従業員さんから社会保険料を回収するのは至難の業です。


ちなみに、
休職→退職の流れであったり、欠勤を繰り返す→話し合いで退職などの流れも多いです。この様な場合、休職中は給料が支給されませんし、欠勤を繰り返すと控除額が大きく、給料の支給額が保険料の額を下回る事もあります。

結局、従業員から保険料を回収できなかった、ということも起こりえます。

そこで、従業員の負担分も会社が負担する場合が多数あります。仕方がないから嫌々負担する会社もあれば、積極的に負担される会社もあります。

保険料が控除できない

従業員負担分を会社が負担しても問題ありませんので、この様な解決策を取られている会社が多くあります。

いずれにしても、
会社は従業員負担分と会社負担分を納付する義務を負っていますので、納付しないわけにはいきません。

従業員が退職する際には、「退職合意書」を取り交わす事を勧めております。この中に最後に支払う給与や賃金関連の債権債務の清算を、きちんと記載しておくことが重要です。