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求人票と会社選びJob recruitment and company selection


求人票と会社選び

概要

今回は、始めて会社選びをする求職者の方向けに、どの様に求人票を見て会社を選ぶのが良いかを解説します。

主なターゲットは就職を控えた大学生や高校生、フリーターの方などです。他にも始めて会社選びをする方、求人票を見たことがない方、も対象にしています


この為、専門用語や厳密な説明を控えて、日常用語で平易な解説となっておりますので、その点、ご了承下さい。

ハローワークの求人票を対象に記載しております。では、具体的に見ていきましょう。

社会保険労務士から見た就職

学生の皆さんは、外から会社を見ている状態です。学校の先生も同じく外から会社を見ていて、皆さんと並走して下っています。

これに対して我々、社会保険労務士は会社の中から皆さんを見ています。会社を中から見るのと外から見るのとの違いですね。

今回は、普段会社の社長や人事部門と共に従業員や応募者を見ている社会保険労務士からの目線で書いていきます。


求人票の記載項目


求人票には多くの内容が記載されています。以下で重要な項目を順に解説していきます。





求人票に記載されている主要項目

@会社名
A事業内容
B仕事内容
C雇用形態
D雇用契約期間
E試用期間
F就業場所
G始業・終業・休憩時間
H休日
I残業の有無
J基本給
K賞与
L退職金
M加入保険



会社名


まずは、会社名からです。通常、求人票だけで就職先を決めることは稀だと思います。会社名や所在地などからネットで検索して多くの情報を得て調べる事になります。

会社を調べる上で重要だと思う点は下記です。


重要な点

@社歴
A文化



@社歴

これは、歴史のある長い会社か創業間もない会社かどうかを見ます。伝統のある名門企業が良いのかベンチャー企業が良いのか、という言い方もできます。

傾向としては社歴の長い会社の方が「安定」していることが多いです。例えば社内の決まり事などにしても、創業数年の会社では細かな点が決まっていない事も多々あります。

少し乱暴な言い方ですが、感覚的には、
(社歴)X(従業員数)=(安定度)
と言えるのではないかと思います。


A文化
これは各企業の持つ企業文化です。
ホームページだけからでは判断が難しいです。しかし、大変重要です。口コミなどから調べると良いでしょう。企業のブログなどからでも、ある程度読み取る事もできます。

世間ではブラック企業という言葉が広まっています。長時間労働やパワハラが蔓延している会社をさすことが多いのですが、これを求人票やホームページだけから見つけるのは難しです。

ただ、情報化か進んでいる現在ですから、真剣に調べればある程度の事を知ることも可能だと思います。


事業内容

求人票には、会社の事業内容が記載されています。「〇〇の製造」などです。もちろん、自分がやりたい職業を選択する、というのが重要なのですが、ここでは、「やりたい仕事」という視点以外で、「給料が高いのか、低いのか」という点で見てみます。

給料を知るには、まずは、お金の流れを知ることが重要です。

給料は、会社の会計上は人件費に含まれます。人件費は会社の売上から支払われる事になります。

当然ですが、売上が大きくコスト(仕入れや費用など)の少ない会社の方が利益が大きいので人件費を大きくすることができます。

例えば、商品の仕入れがないコンサルテイング業界などは利益率が高く高給になる確立が高いと言えます。

医師の年収が多いのは、病院の売上が大きいからです。健康保険がありますので、
病院に支払うのは3割です。逆に言えば、病院は我々が払った額の3倍の収入があります。

例えば、風邪で病院に行くと5分程度の診察で1,500円程度の支払いになります。これで病院の収入は4,500円です。1時間に12人見れば、4,500円X12人=54,000円/時になります。

月に170時間診察すれば、9,180,000円/月の売上になります。看護師2名、受付2名いたとしても、800万円近いお金が残ることになります。ここから医療機器にかかるコストを差し引いた残りが医師の給料になります。

大まかに言えば、このようになっています。

皆さんも会社を選ぶ時に、会社の売上から自分の給料までに、どのような流れでお金が動くかを考えてみて下さい。



仕事内容(業務内容)

営業系か技術系か

日本国内だけでも様々な職業がありますので、一概に部類することはできません。ただ、ざっくりと営業系と技術系に分けて考えてみます。

各々の業務例を書いていきます。

@営業系
業種に限らず営業関連の仕事です。一口に営業職といっても様々です。

製造業の営業は、比較的紳士的ではないかと思います。

一方で営業のみの会社の場合、インセンティブ(成功報酬)などの比率が大きくガツガツしたイメージがあります。

営業系には、デパートなどの顧客対応も含みます。製品を購入した際の問合せ窓口(ヘルプデスク)なども含みます。結構ストレスがかかる仕事になります。

お客様と笑顔で接するのは良いのですが、電話対応窓口などは比較的ストレスが多いでしょう。



A技術系
これは、いわゆるエンジニア(技術者)がメインですが、ここでは、それ以外の専門職も全て技術系として考えます。

医師や看護師、弁護士や社労士、料理人などの職人、パイロットなどもこちらに含めて考えると分かりやすいでしょう。

いわゆる手に職がある系の仕事になります。しかし営業に比べると給与は相対的に低めだと思います。同じ会社の中でも営業職のみにインセンティブがある、という会社もあります。

ただし、技術系は仕事に誇りを持ちやすい職種と言えます。


もちろん、これ以外にも様々に分類される職業があります。しかし、大きく営業系と技術系に分類して考えてみると考えやすい事もあります。

もちろん、レジなどに代表される単純作業系もあります。この様な職業はパートやアルバイトの方が多い様です。


仕事内容と報酬

これは、難しい仕事になればなるほど待遇が良くなります。例えば高収入の例として、「医者・弁護士」と良く言われますが、これはなるのが難しいからです。

なるのが難しい=人数が少ない=希少性があり高額
となります。金やダイヤモンドと同じく高額になります。


また、多くの企業では正社員として雇用した場合、様々な仕事に就く可能性があります。これは日本の特徴です。

外資系企業では、仕事内容が雇用契約で明確になることも多く、その仕事内容から変わる事はありません。
しかし、日本の企業では、「時間と場所を提供する」と言われており、仕事内容は業務命令により変更される可能性も高いと言えます。



雇用形態


雇用形態には、こだわりのある人が多いと思います。世間では「非正規雇用」などの言葉があります。要するに正社員かどうかです。

この部分には、こだわって欲しいと思います。やはり正社員の待遇はパートやアルバイトに比べて圧倒的に良いです。これは企業規模に問わずです。

実は、若い時は正社員もアルバイトもあまり給料は変わりません。正社員で働いてもフリーターの友人と月額はほぼ同じ、ということがあります。
それなら気楽なアルバイトの方が良いよ、となりますが、実は年齢が高くなると正社員とアルバイトの差は驚くほど大きくなります。

給与体系にもよりますが、正社員では55歳がピークとなるように昇給していきます。このピークの給与額がいくらか、が大変重要です。
もちろん、本人の能力や地位により異なりますが、
正社員とフリーターでは倍程度の差があると言われています。

また、若い時に正社員と給料があまり変わらないからと言って、フリーターを続けると年を取ってから正社員となることは困難を極めます。
年齢が経てば経つほど正社員として就職することは困難になりますので、若いうちに正社員として就職することが非常に重要です。

正社員から正社員への転職は可能ですが、フリーターから正社員への転向は大変難しいという現実があります。


パート・アルバイト


パート・アルバイトと良く言われていますが、パートとアルバイトに明確な違いはありません。パートは主婦、アルバイトは学生、といったイメージの通りです。
両方とも短時間労働者として特別な法律で保護されています。

パート・アルバイトの特徴は以下となります。
【特徴】
@時給
A有期雇用
B管理職になれない



@時給
時給となる為、毎年の昇給幅も月給の方に比べて低めのことが多いです。

A有期雇用
有期雇用というのは働く期間が決められていることです。例えば、6ヶ月間とか1年間とかです。

B管理職になれない
これは責任を持たなくても良い、という事になりますが、逆に言えば給料が増えない、という事にもなります。

例えば、20代では、正社員とフリーターの給与差は100: 程度と言われています。しかし、これが50代になると最大の差になって、100:51程度になります。要するに50代でフリーターなら、正社員の半分程度の給料しかもらえないと言うことになります。これでは、とても生活ができませんね。


限定社員


限定社員という雇用形態があります。三ノ宮センター街のユニクロなどでのぼりが出ているものです。
これは、働く地域を限定した正社員ということになります。
・地域限定社員
・職種限定社員
>>限定社員の詳細はこちら。

限定社員の特徴は、入社時に仕事内容(職種)や勤務地が限定されることです。そして、その限定された仕事や地域以外で仕事をすることはありません。

しかし逆に言えば、その仕事や地域がなくなれば退職することになります。
例えば、職種限定でドライバーで採用された場合、運転ができなくなれば解雇となります。また、地域限定で採用された支店が閉鎖されても解雇となります。

職種や勤務地が会社が決める正社員の場合は、配置転換等で対応されるので解雇にはなりません(できません)。

ここが大きな違いです。限定社員で就職するのか一般的な正社員で就職するのかは良く考える必要があります。


就業場所


地域限定社員などではない限り、本支店全ての可能性があると考えた方が良いでしょう。
また、新規出店などがある場合は、そこに配転される可能性もあります。関西の企業では、ある程度の規模になると関東に支社や店舗を出すことが多くあります。

フルタイムの正社員であれば拒むのは難しいでしょう。

海外支社がある会社であれば海外転勤の可能性もあります。


就業時間

法律上の原則は1週40時間、1日8時間です。もちろん、「時間外・休日労働の届出」を出すと残業することができますが、日本の法律上では、給与は働いた時間に対して支給するのが原則です。


多くの会社で「変形労働時間制」が採用されています。これは、シフト表などで出勤日や1日の労働時間が決められる方式です。

日本で認められている労働時間制度は下記の8種類だけです。

【労働時間制度】
@1週間単位の変形労働時間制
A1ヶ月単位の変形労働時間制
B1年単位の変形労働時間制
Cフレックスタイム
D事業場外の裁量労働制
E専門業務型裁量労働制
F企画業務型裁量労働制
G高度プロフェッショナル制度(2019年4月1日から有効)




休憩時間

休憩時間は8時間を超える場合は1時間以上、6時間を超える場合は45分以上が法律で義務付けられています。
殆どの会社ではお昼休憩として1時間を採用しています。ここは、あまり気にしなくても良いでしょう。

お昼休憩が45分の会社の場合は、1日8時間以下の労働が前提となっています。この為、8時間を超える場合は15分の休憩を途中に入れる必要があります。
ただ、この15分の休憩が取れない事が多くあります。結果的にお昼休憩が45分の会社では1日の休憩が45分で8時間を超える労働時間になる可能性がありますので、注意が必要です。


給料

働き方の種類に応じて、月給、時給、年俸などに別れますが、ここでは多くの正社員に適用されている月給制で解説をします。

月給の場合、給料は大きく言えば下記に分類されます。

【給料の内訳】
@基本給
A手当
B残業代




@基本給
月給の中心を占める給与です。月給の中身は何か、というのは各社異なります。年齢給や勤続給が含まれ、

もちろん、会社により給与体系は様々です。決まりはありませんので、各社が自由に給与体系を設計しています。


静止点と経年変化

3年、5年、10年、40年というスパンで見るとどの様に昇給していくかが重要になります。

若い時は、「今すぐにお金がほしい」となると思いますが、本当に高額な給与が必要になるのは50代です。10代の皆さんからすると父親よりも上の年代ですね。

この年代になると、子供の大学進学と介護、住宅ローンなどが重なりますので、年収1,000万でも決して余裕がある訳ではありません。

少しイメージしづらいかと思いますが、50歳で年収1,000万円を目標に据えて努力して下さい。


A手当
手当は注意が必要です。条件次第では支給されないものがあります。
例えば「皆勤手当」です。

..インセンティブ
インセンティブに目を奪われ過ぎない事が重要です。要するに長続きするかどうかです。
営業ではインセンティブが支給されることが多くなっていますが、インセンティブよりも基本給が多い企業の方が生活が安定します。

B残業代(★)
残業とは、1週40時間、1日8時間を超えて働く場合に、その超過した時間を残業時間といいます。1週間で36時間でも1日8時間を超えた日があれば、その分は残業時間となります。

ただし、前述の変形労働時間制が採用されている会社は、別途計算方法があります。多くの会社で変形労働時間制が採用されていますので、1週40時間1日8時間というのは目安として考えて頂くほうが良いかも知れません。

この残業時間に対しては25%の割増賃金が支給されます。休日に出勤した場合は35%の割増賃金が支給されます。

この様に長時間働くと得られるお金が大きく増加します。

しかし、残業代を支給しない「サービス残業」をしている人(強要する会社)があります。「サビ残」と呼ばれているものです


..交通費


賞与

賞与の額は企業により全く異なります。支給されない企業も多く、数万円程度の企業も含めるとかなりの割合になります。

これに対して中小企業でも、かなりの額が支給される会社があります。年4回の賞与+お中元+お歳暮という手厚い企業も一定の割合であります。

もし、この様な手厚い企業に就職できたなら、そこで頑張るのが良いと思います。賞与額が多いということは、社長が従業員を大切に思っていること、業績が良いことなど、優良な面が多々ある、ということです。

しかし、賞与は業績を反映しますので、賞与が大幅に減額されることは十分に考えられます。この為、賞与額を過度に評価することは危険が伴います。
求人票では、基本給を中心に多いと企業を選び、賞与は参考程度に見るのが良いでしょう。

給与は積分、賞与は微分だと考えると良いと思います。



実力主義給与といいながらの昇給希望

若くてリーダークラスの人は実力主義給与が良いと言います。これは、自分の給料を上げてくれ、と言っているのと同じです。

実力主義給与というのは、自分より優良な人が入社したら自分の給与を減額して、その人にまわして下さい、ということです。

この様に考えると、必ずしも実力主義給与に賛同する方は多くないと思います。


休日と休暇

年間何日の休日があるのかは大変重要です。毎週の休日と夏期休暇、年末年始休暇、ゴールデンウィークなどの大型連休をチェックしましょう。


毎週の休日

週休2日制の会社が大半ですが、週休2日をどの様に運用しているかは会社により異なります。

【週休2日のパターン】
@週休2日(土日)
A週休2日(土日祝)

@週休2日(土日)
これは、土日のみの週休2日で祝日が出勤日となります。

A週休2日(土日祝)
これは、土日に加えて祝祭日が休みになります。

また、1日の労働時間を7時間にして隔週で土曜日出勤日の会社もあります。

大型連休

日本には、ゴールデンウィーク、夏期休暇、年末年始休暇と大型連休が3回ありますが、この休暇がどの様に付与されるかは会社によります。
まず、日本の法律では「週休1日」が原則ですから、祝日は休日にする必要はありません。同様に夏期休暇、年末年始休暇も日本の商習慣で休みになっているだけで、会社には休暇にする義務はありません。

この為、夏期休暇なし、年末年始休暇なし、という事もあります。
そこまで極端ではなくても、3日程度の連休から10日程度の連休まで会社により相当幅があります。


有給休暇

有給休暇は、仕事がある日に会社を休める日の事です。土日が休みの場合、平日に私用などがあれば有給休暇を使います。

有給休暇は法律上は、入社して6ヶ月経過してから10日が付与されます。この法律通りの会社が多いですが、入社した4月1日から20日付与される会社もあります。



..慶弔休暇

..積立休暇


..休暇と欠勤
ここまで話をしてきて、なぜ休日や有給休暇が重要かと言えば、休日や有給休暇以外は全て欠勤となります。

この為、安易に会社を休むことはできません。


社会保険と労働保険







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.その他控除


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YouTuber目指すのも良いと思います。毎月1億近い収入を得ているトップYoutuberもいらっしゃるでしょう。

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