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有給休暇制度の準備(事業主の皆様)
Day Off
概要
従業員を雇用したら、有給休暇の準備も必要になります。いきなり従業員から「有給休暇を取りたい」と言われてアタフタと慌てないように事前に準備しておくことが必要です。
まず準備すべきは下記2点になります。
@有給休暇日数
A申請手続き
B申請書
では順番に解説します。
有給休暇日数
休暇日数は法律で定められている通りに運用されている会社が大半だと思いますので、ここでは割愛します。
また、有給休暇の付与日も法律通りか4/1に一斉に付与などが多いと思いますので、こちらも省略します。
申請手続き
これは何日前に申請を出すか、誰に出すのかとう有給休暇を取得する際の社内手続きを決めるものです。
法律上は何日前に誰に休暇届を提出するのかという規定がありません。この為、この辺りのルールは会社が自由に決めることができますが、常識的な範囲に収める必要があります
。
実際には、数日から1週間程度前までになると思いますが、実運用には臨機応変な対応が必要になります。
例えば、病気で休む場合などは、どうしても連絡が当日の朝、電話で申し出ることになります。
この様な場合は、当然許可する必要があるでしょう。病欠を数日前に申請するこはできませんから。
申請書
これは、有給休暇を取得する際に、会社に提出する申請書です。有給休暇の申出の仕方も法律上の規定はありませんので、口頭でもメールでも可能です。
ただし、会社と従業員の双方が、有給休暇の取得に関して日付などの齟齬がないように定型の「有給休暇取得届」を作成するのが一般的です。この届は大きく下記の2種類の形式があります。どちらを使用するかは会社の考え方によります。
@1枚で1回分の有給休暇を申請する都度形式
A1枚で1年分の有給休暇の申請する表形式
都度形式
こちらは、1枚で1回の申請をするので、詳しく理由などを記載できますし、複数の所属長印を押すことができます。
(サンプル画像)
ただし、注意する必要があるのは下記の点です。
@
有給休暇の取得理由を具体的に、明確に記載しないと取得させない、という運用はできません。
有給休暇という権利は労働基準法で労働者に与えられている権利であり、これを会社が奪うことはできません。
会社が行使できるのは、業務の都合上、どうしても休暇の取得日を変更して欲しい際に取得時期を変更させる「時季変更権」のみです。
この為、「休暇取得理由」欄を設けることは問題ありませんが、「家事都合」などでも問題なく取得させる必要があります。
また、通院の為の休暇の場合はプライバシーにも関わりますので、会社として病名を聞くべき明確な理由がない限り詳細に聞く事は避けるべきでしょう。間違っても興味本位で聞くことは有給休暇の取得と関係ありませんので、避けるべきです。
A複数の上司の承認印が全て揃わないと取得させない、といった
有給休暇の取得を実質的に阻害するような運用も認められません
。
例えば、課長と部長の両方の承認印を得た後、人事部長の承認印が必要、というような全ての押印をもらうのに数日程度必要になる運用も避けるべきでしょう。
有給休暇は6年半以上勤めていれば年間20日ありますから、月1.5日程度は休暇が取得できます。1回の取得に1週間以上かけて承認を取り付けなければならないような運用は避けるべきでしょう。
表形式
こちらは1人1枚で、1年間の有給休暇の申請ができる様式です。休暇の残日数が管理できるなど便利な所があります。
取得理由欄もシンプルで運用しやすい形式だと思いますので、お勧めです。
(サンプル画像)
就業規則の変更
有給休暇の申請等の社内ルールが決まりましたら、次に就業規則の変更を行い、所轄労働基準監督署に変更届を提出します。
就業規則自体は10人以上の従業員がいる場合に必須となりますが、従業員が数人でも、会社のルールを明確にする意味で就業規則は作成しておくべきでしょう。
欠勤との違いを明確に
稀に給料を低く抑える為に、病気などは欠勤扱いにする事業主さんがいらっしゃいますが、これは社内の規律維持の観点から好ましくないでしょう。
欠勤は明確な規律違反で、査定や賞与に大きく悪影響を及ぼすという前提で考えるべきです。
確かに病欠を欠勤にして有給休暇を取得させない雰囲気を作る、とうのは目先の給与を考えると良いかもしれませんが、長い目で見ると従業員の士気も低下し売上の伸び悩みにつながります。また、病欠を欠勤扱いにすると何日まで休んで良いのかが不明瞭になり、本来あるべき「病気をせずに健康で仕事する」人に対して不公平感が出ます。
欠勤をしてはいけない、ということを徹底することで、自然に有給休暇を使いきらずに病欠用に残す、という企業文化が根付くのではないかと思います。
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有給休暇の概要
子育て世代の働く意欲と休暇取得意識(第一生命)
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